「よくわかるNIPT・遺伝子検査」のブログでは、NIPTや遺伝子検査に関するあらゆる悩みを解決に導くことをコンセプトにしています。
- そもそもNIPTについて、よく分からない
- 妊娠中だけど、漠然と不安な気持ちがある
- NIPTを受けたらいいのってどんな人?
- 検査で陽性がでたらどうしたらいい?
- NIPTを受けるか受けないかどうしよう…
など、妊婦さんにとって不安や悩みはつきませんよね。
こちらの記事では、「あなたがNIPTを受けるかどうか即決するための8つの質問」を準備しています。読み終える頃には「NIPTを受けるか受けないか」がハッキリとして迷いもなくなるはずです◎
8つの質問を通してあなたの悩みを解決に導くお手伝いをさせていただきます。
この記事のライター: よくわかるNIPT・遺伝子検査編集部 佐藤 真由美
1982年生まれ。一児の母。第2子が気になるものの、年齢的にどうしようか考え中。
「NIPTを受ける、受けない!?受けるならどこで受けたらいいの?」悩みに悩んだ自分の経験をふまえて、同じようなお悩みを抱えている女性たちにとって、少しでも参考になるような記事が書ければ…と、日々NIPTやNIPTクリニックについて調査・勉強を続けています。
8つの質問はコチラ↓になります。各項目について深堀りしていきますので、どうぞ御覧くださいませ。
その1:どんな赤ちゃんでも産み育てていく決意は固まっている?
究極にして最も重要な質問です。
あなたは、おなかの赤ちゃんがたとえどのような障害や健康上の問題を抱えていても、産み育てていく決意は固まっていますか?
障害には重いもの軽いものがあり、育てていく上での大変さは一概にくくることはできません。非常に重い障害を抱えていた場合、親が仕事を続けていくことは困難なことも考えられるでしょう。そのような際も両親や周囲のサポートを得ながら、育児に専念した生活を送ることが経済的に可能な環境にいますか?
里親の家庭に預けられた子どもの4人に1人に発達障害など何らかの障害があることが、厚生労働省の調査で分かっています。
子育てが親に与えてくれる喜びは計り知れないものですが、ただでさえ大変な育児。障害があるお子さんを愛し育てることの辛さは場合によって想像を絶するものがあるでしょう。
どんな障害を抱えていても、おなかの赤ちゃんを産み育てる決心がまだ固まってはいないようでしたら、NIPTを受けることはあなたや家族にとって、おなかの赤ちゃんにとっても最善といえるかもしれません。
たとえ産む決心が固まっていたとしても、事前に知ることで準備できることは沢山あります。優れたNICUを備えた病院・社会保障や手続きについて知っておくなど、おなかの赤ちゃんがよりよい人生を歩むのをサポートするために、NIPTを受けられる方も少なくありません。
ライター佐藤
その2:出産予定日の年齢は35歳を超えている?
ほとんどの生まれつきの病気は、発生率と年齢とのあいだに関係がないとされていますが、ダウン症(21トリソミー)、18トリソミー、13トリソミーなど染色体が3本ある病気については、妊婦さんの年齢が上がると発生率が上がることが知られています。
出産した時の年齢とダウン症、18トリソミー、13トリソミーの発生率
グラフをみると、35歳を境にして染色体異常の発生率があがっていることが読み取れます。とはいえ、20台の妊婦さんでも数は少ないものの染色体異常の赤ちゃんが見られることも。
高齢出産の妊婦さんや、そうではなくてもおなかの赤ちゃんの健康が気になる妊婦さんはNIPT受診を検討してみてもよいかもしれません。
その3:数ある出生前診断の中で、どれを選ぶ?
おなかの赤ちゃんの健康状態を調べようと思ったら、いくつかの出生前診断があります。
どの検査を受けたらよいのか知るために、こちらでそれぞれの検査の違いを解説します。
出生前診断には、大きく分けて超音波を使った画像の検査と、染色体疾患に対する検査があります。
染色体疾患に関する検査はいくつかの種類があり【図1】、NIPTは赤ちゃんに染色体の異常の可能性があるかどうかを示すスクリーニングのための非確定検査になります。
出生診断について受けられる週数や費用についてわかりやすく一覧にまとめました。
出生前診断の比較
検査 | 費用 | 検査内容 | 時期 | 結果まで | |
非確定検査 | 超音波検査(エコー) | 5000円 | 超音波で首の後ろのむくみ(NT)を測定 | 妊娠11-13週頃 | 当日 |
非確定検査 | 血清マーカー検査 | 3万円 | 母体の採血のみ | 妊娠15-17週 | 2週間 |
非確定検査 | コンバインド検査 | 5万円 | 超音波検査+血清マーカー検査 | 妊娠11-13週 | 2週間 |
非確定検査 | NIPT(出生前診断) | 20万前後 | 母体の採血のみ | 妊娠9ー15週(ミネルバは6週~) | 1~2週間 |
確定検査 | 羊水検査 | 10~20万前後 | 専用の注射針を穿刺し、羊水を摂取 | 妊娠16ー18週 | 約4週間 |
確定検査 | 絨毛検査 | 10~20万前後 | 経腹法または経腟法で絨毛細胞を摂取 | 妊娠11ー14週 | 約2~3週間 |
非確定検査はお母さんや赤ちゃんにリスク無く検査することができる検査方法です。
今までは主に「コンバインド検査」や「母体血清マーカー」が代表的でしたが、検査精度が80%程度と低いことが問題とされていました。しかし、2013年に臨床として日本に導入されたNIPTは検査精度が高く、採血のみで実施できるためリスクが少ないことで注目を集めています。そのため、出生前診断を行う場合はNIPTを選ぶ妊婦さんが増えています。
簡単に実施できるため、NIPTは多くのクリニックで導入されるようになりましたが、検査精度やカウンセリングの質が玉石混合になってしまっていることが課題としてあげられるでしょう。
ライター佐藤
その4:現在の妊娠週数は?
いま現在は、妊娠何週でしょうか?
施設によりますが、NIPTは妊娠6~10週前後から検査を受けられます。
クリニックによっては、6週からの早期検査を大きく打ち出しているところもありますが、あまりに早すぎる週数の検査は正確性に欠ける場合もあり、8週以降が望ましいと言われています。
もしもNIPTで陽性であった場合は、羊水検査などの確定検査が必要です。 羊水検査の検査時期は妊娠15週以降のため、NIPTは遅くとも妊娠15週頃までに行うことが薦められています。
日本の法律では、妊娠22週を過ぎると胎児を中絶することはできません。検査結果によって産む産まないを検討される方は、8週以降でなるべく早めの受検が望ましいでしょう。
その5:赤ちゃんが障害を持っていたらどうするか、話し合っている?
事前にどんなに話し合っていても、いざ検査結果で陽性がでると妊婦さんは少なからず混乱されるもの。まずはパートナーとの間で、おなかの赤ちゃんが何らかの障害を持っていたらどうするか話し合う機会をつくってみるのが好ましいといえます。
出生前検査についての相談は、妊婦健診を受けている産婦人科でできます。また、市区町村の母子保健窓口でも相談することができます。より専門的な相談や遺伝カウンセリングが必要な場合には、専門施設への紹介を受けることもできます。 1人で抱え込まず、専門家の方の意見を聞いてみることをおすすめします。
ライター佐藤
その6:NIPTで分かること、分からないことって?
NIPTでは、21トリソミー(ダウン症候群)、18トリソミー、13トリソミーなど、おなかの赤ちゃんの染色体異常の疾患の可能性を調べることができますが、すべての障害や病気について調べることができるわけではありません。
発達障害や視覚障害、聴覚障害については現時点での技術では、NIPTで確認するのは難しいと言われています。
発達障害とは、自閉症、注意欠如・多動症(ADHD)、学習症(学習障害)、チック症、吃音などが含まれ、生まれつき脳の働き方に違いがあるという点が共通しています。
お腹の赤ちゃんの視力は検査で調べることができないため、視覚障害は出生前診断では発見できません。お腹の赤ちゃんがどのように聴こえているかは、検査することができません。聴覚障害は、音の情報を伝達する部分に異常があることによって起こり、障害には程度があります。
NIPTや絨毛・羊水検査でわかるのは、染色体による疾患だけです。染色体異常によらない先天性疾患 (口唇口蓋裂、心室または心房中隔欠損症、梅毒や風疹、ヘルペスウイルス等による先天感染など)はNIPTでは調べられないため、NIPTや絨毛・羊水検査の結果が正常であったとしても、先天性疾患がないとは言い切れません。
その7:NIPT陽性がでたあとの流れ
妊娠期間や、お母さんの年齢、胎児に異常がある程度など、様々な要素を考慮して、検査結果から考えられる次のステップを検討する必要があります。
具体的には、羊水検査などの確定検査を受けるかどうか。受けるとしたらその施設選び。
確定検査で陽性が確定したらどうするのか。中絶を選んだ場合、日本の法律で定められた妊娠22週までというタイムリミットの中で、施設を探し予約をしなければなりません。
羊水検査などの確定検査や中絶は、どの施設でも行っているわけではなく情報もあまり多くありませんので、質の高い施設を調べるだけでも一苦労です。
精神的にも大きなショックを受ける中、大切な決断をくだすことは簡単ではありません。
NIPTクリニックは数多くありますが、中には検査結果を知らせてもらえるだけで、その後のカウンセリングがなかったり、カウンセリングや検査自体の質に疑問があるクリニックも少なからずあるようです。NIPTを受けようとお考えの方は、クリニックを精査する必要があります。
陰性がでたなら安心ですが、いざ決断を迫られるのは陽性が出たとき。専門的な知識をもった遺伝専門医の先生から、じっくりカウンセリングを受けられるクリニックを選ぶことがとても重要だと感じました。
ライター佐藤
その8:どこでNIPTを受けたらいい?
NIPTを受ける際は、認可施設・非認可施設から選ぶこととなります。
認可施設 | 日本医学会連合が認可した施設 |
非認可施設 | 日本医学会連合の認可を受けていない施設 |
認可施設は、夫婦同伴の必要があったり受検するための条件が厳しくなっており、施設数も限られていますので、非認可施設の方が受検しやすいでしょう。非認可施設の場合、クリニックによって検査精度やカウンセリングの質などが異なりますので受検する施設を精査する必要があります。
NIPTは本来検査精度が高い検査なのですが、取材で業界の内情を調べているうちに驚くような事実が判明しました。NIPT検査ではクリニックで採血したものを検査機関に送り、戻ってきた結果をみて、陽性や陰性、染色体異常で起こり得る障害の程度などを判断するという流れになっています。ところが…クリニックによって、使っている検査機関・検査手法は異なります。
「よくわかるNIPT・遺伝子検査」の読者の方にぜひ知っていただきたいのは、NIPTの検査精度は、検査機関や検査手法によって大きく異なるということです。
イルミナ社のVeriseq V2システムという検査手法を用いているNIPTクリニックは避けた方が賢明といえるでしょう。なぜなら、こちらの手法はオンラインでイルミナ社とつながり検査結果が出されるのですが、検査結果に対してイルミナ社には一切の質問ができず、なぜ陽性・陰性となったのか理由がわからないためです。
検査後のカウンセリングでも、結果を伝えられるだけで不安な方には再検査を促すのみ、という流れです。
こちらの手法は国内の大手NIPTクリニックで用いられていますが、受検者の方を思えば本来用いるべきではないでしょう。NIPT(出生前診断)が日本で始められてからまだ日が浅いため、クリニックによってNIPT(出生前診断)の質は玉石混合となってしまっています。NIPT(出生前診断)を受ける際には、クリニックを選ぶ際に細心の注意が必要だといえるでしょう。
国内でVeriseq V2システムを使用しているNIPTクリニック
検査手法 | NIPT(出生前診断)を行うクリニック名 |
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Veriseq V2システム | ヒロクリニック、平石クリニック、日本遺伝子医学株式会社、東京衛生検査所 |
NIPTを検討されている方のために、どのクリニックを選べばよいか編集部で徹底調査したものを、こちらの記事↓にまとめました。クリニック選びでお悩みの方はぜひ御覧ください。
▶【東京版】2024年NIPTクリニックの比較ランキング(費用/アフターケア/検査精度)
ライター佐藤
NIPTを受けるか受けないか まとめ
こちらの記事では、NIPTを受けるかどうか悩んだ時に考えたい8つの項目についてお話していきました。
NIPTのメリットとデメリットを簡単にまとめると、このようなポイントが考えられます。
NIPTのメリット
・赤ちゃんとお母さんにとってリスクがなく安全
・高い確率で染色体異常の可能性を知ることができる
・クリニックによるが、妊娠8週前後と早い時期に調べられる
NIPTのデメリット
・20万前後の費用がかかる
・クリニックによっては検査精度に疑問が残るところも
・クリニックによっては、結果を知らされるのみでアフターフォロー体制が整っていない
それぞれの方やご家庭によって考え方や状況が違いますので「自分達にとってどの選択が良いか」について決めるきっかけとしてもらえたら嬉しく思います。