NIPT検査(出生前診断)は医療費控除できる?妊娠出産時の補助金・助成金も要チェック

NIPT検査費用 医療費控除

(本コンテンツは当サイト編集部が調査し制作し、クリニックから送客手数料を受領しています。)

多くの妊婦さんがはじめの出生前診断としてNIPTを選んでいます。
赤ちゃんとママにリスクなく、高い精度で結果が出るのが魅力ですが、検査費用が安くはないのがたまにキズ。

はたしてNIPTの費用は医療費控除の対象になるのでしょうか?また、医療費控除の制度や戻ってくるお金、手続きの方法に加え、妊婦さんがもらえる補助金や助成金についてこちらの記事で詳しくお伝えさせていただきます。

目次

NIPT検査費用はどれくらい?医療費控除の対象になる?

クリニックによりますが、NIPTを受けるには10-20万円前後の費用がかかります。
NIPTは自由診療のため、残念ながら医療費控除の対象にはなりません。

Q.妊婦に対して行う母体血を用いた出生前遺伝学的検査の費用は医療費控除の対象になりますか。

A.医療費控除の対象とはなりません。

医師又は歯科医師による診療等の対価として支払われるものは医療費控除に該当しますが、いわゆる人間ドックその他の健康診断のように疾病の治療を伴うものではないものは、医療費控除の対象とはなりません。しかし、健康診断の結果、重大な疾病が発見され、引き続きその疾病の治療を行った場合には、治療に先だって行われる診察と同様に考えることができますので、その健康診断のための費用も医療費控除に含まれます(所得税基本通達73-4)。
本件検査は、胎児の染色体の数的異常を調べるものであって、診断の一種であり、また、本件検査を行った結果、染色体の数的異常が発見されたとしても、それが治療につながらないとされていることからすると、本件検査は、妊婦や胎児の治療に先だって行われる診療等と解することはできません。
したがって、本件検査に係る費用は、医療費控除の対象となりません。


国税庁HP「母体血を用いた出生前遺伝学的検査の費用」引用-


NIPTは医療費控除の対象にはならなくても、何か他に費用を補助してくれる制度や、助成金などはないの?

NIPT以外で、妊娠・出産に掛かる費用のうち、1年間の家族全員の医療費が10万円を超えた場合は、確定申告をすると払い過ぎた税金が戻る場合があります。

また、検査結果が陽性だった場合、クリニックによっては羊水検査の費用を補助してくれる場合もあります。

このあとの段落で、妊婦さんがもらえる助成金医療控除について詳しく解説しますね。

意外と多い!妊娠・出産でかかる費用と助成金について

医療費控除 4

妊娠してから赤ちゃんが産まれてくるまでの間は、普段の生活にかかるお金とは別の費用がかかります。妊婦健診費用や分娩・入院費用、マタニティ・育児用品の購入、人によっては、里帰りの交通費、帝王切開や切迫早産の医療費など。

令和4年度の出産費用は、全国の平均で54万5,797円かかるというデータがあります。

妊婦さんの負担を軽減するために、下記のような助成金もありますので該当する方は貰いそびれのないよう申請しましょう。

妊婦健診費用助成全国平均で約10万円(ひとりあたり14回分の妊婦健診受診票(補助券)が交付される)
出産育児一時金妊娠4ヶ月以上で出産した場合、子どもひとりにつき原則50万円支給(令和5年4月に42万円から50万円に引き上げ)
出産手当金女性が出産のために会社を休んだとき、勤務先の健康保険から支給
育児休業給付金健康保険に加入する人が、1歳未満の子どもを養育するために育児休業を取得した際支給
傷病手当金健康保険に加入する人が、切迫流産や切迫早産の治療のために病気休業する場合に支給
妊婦さんや 子育て世帯の助成金

 

妊娠・出産時の医療費控除って何?

医療費控除 5

妊娠・出産時には、医療費や育児用品の購入など、経済的な負担が大きくなります。
さらに、仕事を休むと収入が減少してしまう場合もあるため、できる限り費用負担を抑えたいところですね。

この記事では、医療費の一部が戻ってくる「医療費控除」制度について詳しく解説します。
はじめに、制度の基本的な仕組みと、妊娠・出産に関連して控除の対象となる費用について見ていきましょう。

医療費控除はどういう仕組みになっているの?

医療費控除とは、1年間(1月1日~12月31日)の医療費が、10万円を超えた時に使える制度です。
家族がいる場合は、医療費を合わせて計算し、控除を受けられます。
税務署で確定申告すると、課税対象の所得から税金の一部が戻ってきます。(※非課税世帯を除く)

税金は所得に応じて多く払う必要があり、医療費控除をつかうと課税所得が減ります。
その結果、税金が安くなり「手元にお金が返ってくる」という流れです。

一緒に住んでいなくても、生計をともにする家族なら、病気やケガで病院にかかった分の医療費も
まとめて申請できます。
家族分の医療費にかかった領収書はまとめて保管しておきましょう。

妊娠・出産で使える医療費控除って?

妊娠・出産にかかる費用のうち、どのようなものが医療費控除の対象になるのか
わかりやすく一覧でまとめました。

対象となる費用対象とならない費用
妊婦健康検査費
入院費(母子どちらも対象)
分娩費
通院などの公共交通費
緊急時のタクシー代
産後1か月検診
母乳外来費
妊娠検査薬代
ガソリン代
里帰り時の交通費
予防接種費
差額ベッド代
入院時の雑費
おむつやミルク代
NIPT(出生前診断)費

妊娠出産の費用の他にも、病気やケガでかかった費用は医療費控除の対象になります。
本人だけでなく、一緒に住んでいなくても生計をともにする家族なら合算可能です。

ただし、美容などの医療費は対象外です。
NIPTなど出生前診断の費用も日本では対象外になっています。

また、妊娠時にサプリメントを飲む場合も、医師が必要だと判断した場合のみ対象となり、自己判断の場合は対象外となります。妊婦さんが貧血になってしまいサプリメントを飲みたい場合は、医師に相談してから処方してもらうことをおすすめします。

医療費控除はどうやって計算すればいいの?

医療費控除 3

実際に、手元にどれだけのお金が戻ってくるのか、気になる方も多いのではないでしょうか。
こちらでは計算方法を分かりやすくまとめました。参考にしながら実際に戻ってくる金額を計算してみましょう。

医療費控除でいくら手元に戻ってくる?

医療費控除で戻ってくるお金(医療費控除還付金)は、【医療費控除額×所得税率】で計算できます。
3つのステップで計算することができるので、手順にそって計算してみてください。

① 医療費控除額の数字を計算
 所得税率を確認
③ 医療費控除額×所得税率 = 戻ってくる金額

①医療費控除額の計算方法

<医療費控除を求める計算式>

総所得金額が200万円以上の場合は

医療費控除=医療費の合計額(1年間)ー補てんされた金額(保険金等)ー10万円

総所得金額が200万円未満の場合は

医療費控除=医療費の合計額(1年間)ー補てんされた金額(保険金等)ー総所得×5%

「補てんされた金額」として、出産育児一時金・家族出産育児一時金や、出産費・配偶者出産費などで受けとったお金も対象になります。そのため、医療費の合計額(1年間)から差し引く必要があります。

②所得税率を確認

所得税率課税所得額によって決められます。

<課税所得の計算式>
課税所得=総所得(年間の収入―給与所得控除)ー所得控除

「所得控除」とは、社会保険料控除(年金・健康保険・雇用保険などの保険料)・配偶者控除・生命保険料控除(生命保険・医療保険など)といったものが対象となります。

※下記の画像の緑の欄

所得税額
所得税額ー国税庁HPスクリーンショット

引用:国税庁「給与所得者と税」

課税所得が算出できたら、国税庁がまとめた「所得税の税率」の表から、所得税率を確認してください。

課税対象の所得金額所得税率
195万円未満5%
195万円超~330万円未満 10%
330万円超~695万円未満20%
695万円超~900万円未満23%
900万円超~1,800万円未満33%
1,800万円超~4,000万円未満40%
4,000万円超45%

参考資料:国税庁「所得税の税率」

③医療費控除額と所得税率をかける

<還付金の計算式>
医療費控除還付金=医療費控除額×所得税率

上記の計算式に、①と②で計算した数字をかけることで、手元に戻ってくる金額(医療費控除還付金)を計算することができます。

医療費控除のシミュレーション

具体的な金額を当てはめてみるとわかりやすいので、例として、実際に計算してシミュレーションをしてみましょう。

<医療費控除で戻ってくるお金のシュミレーション>

医療費の総額=70万円

補てんされた金額=20万円

年間の収入=600万円(給与所得控除284万円)
だった場合のシュミレーション
🧮

給与所得控除額の出し方  年間収入600万の場合・・・収入金額600万×20%+440,000円=284万
※参照 国税庁HP 

所得控除=120万円
社会保険料控除(年金・健康保険・雇用保険などの保険料)・配偶者控除・生命保険料控除(生命保険・医療保険など)

医療費控除額
70万円(医療費)ー20万円(補てん金額)ー10万円=40万円

所得税率の出し方
600万円(収入)ー284万円(給与控除額)ー120万円(所得控除額)=196万円(課税対象の所得金額)

所得税率10%(所得税率の表を参照)

還付金額(手元に戻ってくるお金)
40万円(医療費控除額)×10%(所得税率)=4万円

※このシュミレーションの場合は、4万円が医療費控除として還付されることになります。

医療費控除の申請方法

会社員の方は、毎年会社が確定申告をしてくれますが、
医療費控除は自分で必要な書類を作成する必要があります。

必要な書類や手続き方法をこちらにまとめさせていただきました。

確定申告の時期や場所

毎年1月1日から12月31日までの1年間の収支について、
2月16日~3月15日の1か月間の間で確定申告をします。

申請場所は住民票がある住所の管轄税務署になります。
※もしも引っ越しなどで源泉徴収票の住所と現住所が違う場合は、現住所の管轄税務署への申告となります。

国税庁HPの『e-Tax』を利用すると、自宅からオンラインで確定申告ができますので便利です。

医療費控除の申請に必要なもの

  • 確定申告書
    ※オンラインで国税庁のHP『e-Tax』から申請する場合は、自分で用意する必要はありません。
  • 医療費の領収書
  • 源泉徴収票
  • マイナンバー通知カードのコピー
  • 身分証明書のコピー
  • 通帳と印鑑

医療費の領収書は、提出を求められる場合があるので、証拠書類として5年間の保管が必要となります。
申請後も捨てずに保管しておいてください。

源泉徴収票を参考に確定申告書を記入

確定申告書作成

引用:国税庁の「確定申告書等作成コーナー」

確定申告は4種類の方法で提出することができます。

マイナンバーカード方式
ID/パスワード方式
印刷して郵送
管轄税務署で作成

いずれかの方法を選択して、確定申告書を作成・提出してください。
『e-Tax』は、マイナンバーカードを読み取る機器やスマホを利用するか、
税務署で発行してもらったID・パスワードによって作成することができます。
税務署で発行されたID・パスワードは、次回の確定申告の際にも必要になりますので、大事に保管しておいてください。

「印刷して提出」を選択した場合は、ガイドに沿って確定申告書を作成し、
書類を印刷してから管轄税務署に郵送してください。
ネット回線がなかったり、操作が難しい場合は、管轄税務署に必要書類を持参して、直接足を運んでください。

医療費の明細書を作成する


医療費の明細書から、医療を受けた人の氏名・病院名・金額などを記載する必要があります。
国税庁の「医療費集計フォーム」から作成すると、総額の計算まで行ってくれるので大変便利です。

引用:国税庁「医療費控除の明細書の書き方など」

まとめ

医療費控除 2


医療費控除の内容についてのまとめでした。
見慣れない用語もあり、資料を作るのが難しく感じてしまう方も多いのでは?
そのような場合は、税務署の窓口でも手助けをしてくれます。

妊娠出産期はいろいろと出費がかさむもの。ぜひ医療費控除の制度を活用して、少しでも家計の助けにしたいですね。

【参考】
国税庁 – 医療費を支払ったとき(医療費控除)

具体的な計算方法や条件は、国や地域によって異なっています。
詳細な情報は各国や地域の税務当局のウェブサイトや専門家に確認してみてくださいね。

医療費控除について よくある質問 Q&A

医療費控除 1

Q 医療費控除とはどのようなものですか?

医療費控除とは、1/1から12/31の間の1年間で、10万円以上の医療費を支払った場合、
その一部が税金から還付される制度
です。
妊娠・出産にかかる医療費もこの制度の対象となります。
住んでいる場所が異なっても、生計をともにする家族の医療費も合算可能です。

Q NIPT(新型出生前診断)は医療費控除の対象ですか?

NIPT(新型出生前診断)の費用は、医療費控除の対象ではありません。
NIPT検査は、妊娠・出産に関連する医療費として発生するものですが、自由診療になります。
医療費控除の対象となるのは、直接の治療を目的とした費用のみとされ、出生前診断の費用は対象外とされています。

Q NIPT(新型出生前診断)を受ける際にかかる医療費を控除する方法はありますか?

一般的に、NIPT(新型出生前診断)にかかる費用は医療費控除の対象外となります。
ただしこれに関連する妊娠・出産に伴う医療費(例えば、NIPTの結果に基づくさらなる医療行為)
は医療費控除の対象となる可能性があります。

具体的な医療行為や必要な書類については、医療提供者や税務専門家に相談してみましょう。

Q 妊娠・出産に関する医療費控除はいつまでに申請すればよいのでしょうか?

妊娠・出産に関する医療費控除の申請期限は、確定申告の期間内になります。
確定申告の期間は2月16日から3月15日までの1か月間になっています。
この期間内に必要な書類を揃えて申請を行いましょう。

期限に間に合わないと、その年は医療費控除を受けることができなくなるため、要注意です。

Q 妊娠・出産時にかかった医療費の控除を申請する際には、どんな書類が必要になりますか?

妊娠・出産時にかかった医療費の控除を申請するには、
確定申告書、医療費の領収書、源泉徴収票、マイナンバーカード、身分証明書、通帳と印鑑が必要になります。
これらの書類を揃えて確定申告を行うことで、医療費控除を受けることが可能です。

妊娠・出産にともなう医療費は、なにかとお金がかかりがち。
休業などで収入が減ってしまう場合もあるので、できるだけ負担を軽減したいところですよね。

NIPTにかかる費用についてより詳しく知りたい方は、
ぜひこちら↓の記事もあわせてお読みいただければ幸いです。

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